再開発調査兵団

総工費2500億円規模に膨らんで巨大な2本の弓状の構造物(キールアーチ)が付くことになった、「新国立競技場」の様子 2015年6月19日撮影

2015年6月19日撮影です。

6月24日に新聞各紙で、「新国立競技場」の話題で賑わっていました。

新国立競技場、アーチを維持 総工費900億円増

2020年東京五輪・パラリンピックで主会場となる新国立競技場(東京都新宿区)の建設で、文部科学省が、流線形の屋根を支える2本の巨大なアーチを残すなど現行のデザインのまま、大手ゼネコン2社と今月末にも契約を結ぶ方針を固めたことが23日分かった。総工費は基本設計時の1625億円から900億円ほど膨らむ見通しだ。

(朝日新聞 2015年6月24日)

建築家の槙文彦氏が、費用を抑える案を提案していたのですが、結局は建築家ザハ・ハディド氏のデザインの2本の弓状の構造物(キールアーチ)を踏襲したまま建設する事になった様です。

しかし、それに対して舛添都知事は以下のコメントを出していました。

都の500億円負担に2つのハードル、議会・住民監査

「都民が税金を出すんですから、(国は)早く都民が納得するような説明を出してください。それから、どういう協力ができるかを考える」。東京都の舛添要一知事は24日、6月都議会の閉会後、報道陣に対し、改めて自らの主張を繰り返した。

(産経ニュース 2015.6.24)

オリンピック開催後の維持費とか本当に大丈夫なのでしょうかね?
大阪都構想みたいに、住民投票とか取ったらどうでしょうか?

一方ではこんなニュースも出ていました。
【新国立競技場建設】立ち退き問題難航 五輪のための転居に反発

デザイン変更提案や工費高騰で揺れる新国立競技場の建設をめぐり、もう一つの反発も収まらない。旧競技場の敷地近くにある都営霞ヶ丘アパート(東京都新宿区)の立ち退き問題だ。建設計画では、旧競技場に隣接する明治公園が南にずれ、同アパートはなくなる。一部住人はかねて「取り壊さないで!」と都に要望を出しており、22日にも要望書を提出した。政府関係者は「住民らの支援に反五輪の人たちがいる。このまま立ち退かないこともあり得る」と指摘。すんなり建設とはいかない。

(東スポWeb 2015年06月24日)

都営霞ヶ丘アパートは、なんだか懐かしい感じがして好きな団地です。
無くなってしまうのは寂しいですねぇ。

こんだけ色んな課題を抱えていますので、私の提案としては、メインスタジアムは「味の素スタジアム」か、「日産スタジアム」でどうでしょうかねぇ?(^_^;)

国立競技場の下で暗渠化されている渋谷川は、復活しないのでしょうか?(´・ω・`)

現地の様子

さて、この辺に仕事でくる用事があったので、雨ですが撮影してきました。

「新国立競技場」 2015.6.22

解体工事もほぼ終わりですかね。

「新国立競技場」 2015.6.22

かつてあった国立競技場は姿が無くなっていました。

「新国立競技場」 2015.6.22

中の様子を見てみました。
雨でサッパリ分かりませんが(苦笑)

「新国立競技場」 2015.6.22

最後この辺に旧国立競技場の一部が残っていたのですが、今ではすっかり影も形もなくなっていました。

「新国立競技場」 2015.6.22

なんだか、この一連の騒動を見ていると、日本の悪しき文化を見ている様な気がします。

ITのプロジェクトでも政治力が働き、「なんで納期も間に合いそうに無いのに、機能が追加されるの?仕様変更されるの?」という事が多々あります。
現場が「この機能、仕様書にも契約書にも無いのになんで今追加するのですか?」「この期に及んで仕様変更されると、納期に間に合いません!」とアラートをあげるのですが、上層部(大本営)からは「気合と根性と徹夜で頑張れ!」というありがたいお言葉(精神論)を頂く事が多々あります。

そういうプロジェクトは大抵デスマになるのですが、「あれは私のせいではなく、部下の無能さのせいで失敗した」という、上司のありがたいお言葉を頂けます。
そう、悪名高きインパール作戦の名言です(苦笑)

我々は戦後70年を迎えているのですが、未だに日本の社会(特にIT企業)ではインパール作戦が行われています。
この日本人の考え方を変えていかないといけないと思うのですが、日本の社会は変わりそうにないですね。

この国立競技場の一連の流れを見ていて、同じ香りを感じたのは私だけでしょうかね?(^_^;)

「おもてなし」や「クールジャパン」という言葉で海外に日本の良さを売り込もうとしていますが、まだまだ改善点はありそうです。
もしかしたら、日本の社会は戦時中とあまり変わってないのかもしれませんね。

欲しがりません、勝つまでは!
貧乏、バンザイ!

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データ

名称:新国立競技場(仮称)
地番:東京都新宿区霞が丘10-1他、渋谷区千駄ヶ谷一丁目15-1他
用途:観覧場、集会場、博物館、飲食店、店舗、自動車倉庫、その他
敷地面積:113,039.62㎡
建築面積:78,400㎡
高さ:70m
階数:地上6階、地下2階
着工予定日:平成27年10月1日
完了予定日:平成31年3月31日

過去の記事

2015年4月:約8割程解体工事が終わってた「国立競技場」の様子 2015年4月30日撮影
2015年3月:解体中の国立競技場と、明治神宮外苑の桜の開花状況 2014年3月26日撮影
2015年2月:「建築計画のお知らせ」が出てた! 2020年東京オリンピックで主会場となる70m級「新国立競技場(仮称)」の様子 2015年2月中旬撮影
2014年5月:【朗報】「新国立競技場基本設計案」発表&最近の「国立競技場」周辺の様子 2014年5月20日撮影
2013年11月:そろそろ動き出す? 国立競技場周辺地区調査報告

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